食と農
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プロジェクト学習会
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この人が作る農産物
大地のMEGUMI
稲作研究会

作物の生産過程

食と農へのメッセージ

用語の解説

データ
女満別町学校給食
料理レシピ

女満別小学校発「『いのち』をつなぐ」活動報告

成果発表会報告/資料(PDF)

リンク

「オホーツク食と農」

3年間の成果と課題

成 果

1.実践活動の成果

 本事業における学習活動を通じて明らかになったこと、それは同じ地域に住んでいながら地域のことはまるで解っていない、そして人間が生活していく上で重要な「食」について余りにも無頓着すぎることであった。しかしながらその「食」をキーワードに異業種の学習グループを形成し、何かを探し始めたとき、様々な可能性が広がった。
 「オホーツク食と農」により、生産者と消費者・教職員などが一つになって、大空町(平成18年3月31日市町村合併)の農業、北海道の農業、日本の農業について真剣に考える機会となった。生産者は、熱い想いを地域の子ども達にしっかり伝えていく責任があることを感じ、単なる利益追求ではなく、子ども達の未来の幸せのために実践活動を推進してきた。地域特性を活かした「食と農」というテーマを追求することにより、個々の生産者や一般消費者の意見が聞こえにくくなっている今日にあって、お互いを理解しあえる有意義な学習活動を展開することができた。
 デジタルコンテンツを制作してきたことにより、この活動の成果を広くPRしていくことができる。

2.経年的活動状況

(1)平成16年度
 実践協議会を立ち上げ、互いの理解を深めあうために、まず共通認識に立つことを目的に学習会を開催し、学習課題の抽出、既存情報の整理を行った。
(2)平成17年度
 平成16年度において抽出された学習課題を解決するため、学習範囲を拡大、子ども達との連携や都市との連携、近隣の大学との連携など、学習の幅を拡げた。時間と場所に制約されないフレキシブルな学習活動を展開するためにデジタルツール(ブログ・SNS・CMS)の試行を開始。
(3)平成18年度
 小学校における総合的な学習の時間を学習者が支援することにより、子ども達に食の安全・大切さを伝えるとともに、学習者自らも子ども達からたくさんの学びを得た。学習の継続を図るため、学習者それぞれのスタイルに合ったデジタルツールの利活用方法を提案した。

3.実践テーマの企画と成果

(1)寒冷地における食のあり方、食の安全、栄養管理
 地域性を考慮した食の安全について改めて考え直す必要があることから、実践協議会メンバーによる学習会や女満別町成人大学によって、お互いの理解を深め、女満別小学校の総合的な学習の成果と地元の栄養士による学校給食に関する資料等をデジタル化した。
(2)地域農業の特色・有機栽培・地産地消・流通
 地域の農産物について学び、有機野菜を使った料理教室の開催の他、地元食材を利用した学校給食の取り組みについて学習会を行った。小学生が稲作や有機野菜の栽培実習を行い、実際に自分たちが作った作物が学校給食となった。
(3)地域間の交流による地域農業への理解促進、農業体験
 都市部との交流により地域農業をより深く知る機会となった。東京都稲城市との交流による体験活動、アンケート調査により、地域農業に関するデータ収集を行うことができた。
(4)生産者の参加による総合的な学習への直接支援
 実践協議会の組織を有効活用し、地域の学校へ学習成果を還元するため、小学校の授業への講師派遣、実習圃場の提供、体験活動の支援など学校に対して直接的な働きかけを行い、継続的な学習が行われる体制を整えた。
(5)SNS等の情報交換システムの活用による学習参加
 デジタルツールを有効活用し学習を深めるため、各種システムの試行の中から、それぞれの学習者のニーズに合わせたツールを提案することができた。

4.成果事項

(1)組織間の連携と新たな学習体制の確立
 実践協議会を立ち上げることにより、学習会を通じて生産者、消費者と教育関係者(教員、栄養関係者)の連携を深め、総合的な学習への支援体制を確立することができた。
(2)食と農に対する学習
 様々な学習会を開催することにより、協議会メンバーばかりではなく、町民、児童への学習機会を提供することができ、食と農に対する課題を提示することができた。
(3)都市との交流と地域農業への理解
 稲城市の児童に対して体験活動を提供し、地域農業への印象などを分析することにより、地域農業への理解を深めることができた。
(4)地産地消の推進
 大学との連携による学習会の開催により、地産地消推進への課題を明確にし、学校給食への新たな取り組みとなる場を提供することができた。
(5)学習素材のデジタル化の推進
 コンテンツ作成を容易にするツールの導入や、コミュニケーションを円滑にするためのツールを試行することができ、今後の継続した活動への提案を行うことができた。

課題と今後の見通し

1.課 題

 この事業はモデル事業として始まっており、平成18年3月をもって事業は終了するが、最後の学習会ではオホーツク食と農学習連携実践協議会として事業を継続するかどうかという議論になった。議論の中では、発展的に解消してはという意見もあったが、異業種のグループを形成したことは有意義であり、今日的な学習課題「食」というテーマで学習を進めることができたこと、子ども達との関わりもできた点で、継続を望むメンバーの声が多かった。本事業の終了後も、実践協議会メンバーで引き続き活動を行うことを確認した。
 予算的な面は別として、学習活動を継続するために、時間と場所に制約されない学習活動を展開していかなければならない。特に生産者については農繁期は学習会に集まる余裕は全くない状態であることから、負担にならない学習会の開催方法を検討することとした。
 また、子ども達の総合的な学習の時間への支援をするにあたって、子ども達からのアンケート結果にあるように、大人との関わりや大人からの刺激という設問に対して、半数以上の子ども達が「あまり無かった」や「全く無かった」という声もあることから、子ども達にどのように関わっていくか、大人の押しつけではなく、子ども達との協働というキーワードが今後のポイントとなる。

2.次年度以降の見通し

 前述したように、この学習活動は子ども達の総合的な学習の時間支援を中心に継続していくこととなった。
本事業の成果をホームページ等によって引き続き公開するとともに、新たな学習の成果についても、協議会メンバーがそれぞれに適したツールを利用して公開していくための学習会を開催している。
 実践協議会メンバーの学習活動と情報共有を行うため、今後さらにデジタルツールの活用をしながら展開していくこととした。ブログによる生育過程の記録やSNSによる学習者間の情報交換・共有化を進め、その成果をCMSによるWebページへと反映させていくというスキームを、さらに進めていくことを実践協議会において確認している。

それぞれ、自分に合ったツールを選んで使う

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概要 地域の特色 学習活動案 学習成果概要 制作コンテツの構成 成果と今後の課題 都市と農村との連携 テーマの企画・活動団体の形成 総合的な学習の時間「稲作」 総合的な学習の時間支援「カボチャ栽培」 実践活動の評価・分析 平成18年度コンテンツ制作活動 3年間の成果と課題

大空町 | 学情研
2005;2006 学習素材のデジタル化連携促進事業