食と農
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この人が作る農産物
大地のMEGUMI
稲作研究会

作物の生産過程

食と農へのメッセージ

用語の解説

データ
女満別町学校給食
料理レシピ

女満別小学校発「『いのち』をつなぐ」活動報告

成果発表会報告/資料(PDF)

リンク

「オホーツク食と農」テーマ・団体

テーマの企画・活動団体の形成

テーマの企画

(1)「食と農」をテーマに

 「学習素材のデジタル化連携促進事業」の課題の一つを「オホーツク食と農」として、北海道の女満別町において実践することになった。平成18年3月に、女満別町は東藻琴村と合併し大空町となっている。オホーツクと呼ばれるこの地域で、実践協議会を設置し、課題に取り組んだ結果を報告する。

(2)見直される「食育」

 平成17年7月15日「食育基本法」が施行され、政府は毎年国会に食育の推進に関して講じた施策を「食育白書」として提出することになっている。平成17年度版「食育白書」では、近年、人々のライフスタイルや価値観・ニーズが高度化・多様化することによって食生活を取り巻く環境が大きく変わったこと、規則正しい食事、栄養のバランスがとれた食事、安全面に配慮した食事など、毎日の「食」の大切さに対する意識が希薄になってきていることが指摘されている。
「食」をめぐる現状の変化に伴う様々な問題に対処し、その解決を目指した取り組みが「食育」である。食育基本法では、食育は、生きる上での基本であり、様々な経験を通じて、「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てるために食育の推進が求められ、その推進に当たっては、健全な食生活の実践としての単なる食生活の改善にとどまらず、食に関する感謝の念と理解を深めること、伝統のある優れた食文化の継承等が求められるとしている。
今、地域の特性に配慮し、多様な立場の人々が連携・協力によって食育を推進していくことが必要なのである。

(3)テーマ設定の地域的背景

 大空町は、北海道の北東部に位置し基幹産業は農業である。網走川流域に広がる平野部では国内東限の稲作が営まれており、東南部の緩やかな傾斜状台地では畑作が営まれ、麦類・甜菜・馬鈴薯などの土地利用型作物が大規模に作付けされているほか、近年は全町的に野菜・花卉の生産が増える傾向にあり、従来から振興されている肉牛などと組み合わせ、複合・集約型農業への取り組みも多くなってきている。
 また、消費者のニーズや自然環境を保持するために環境保全型農業の取り組みや、農村の多面的な機能に着目した景観作物の作付けなども行われている。
 地域の基幹産業である農業に関して様々な立場の学習者が集まって学習することは、地域を深く知ることができ「食の安全」「食の大切さ」を見直す機会ともなる。さらに、学習成果をデジタルコンテンツ化することによって、より多くの人に知ってもらうことができる。

(4)学習の始まり

 学習をはじめるにあたり、「食と農がどうしてデジタル素材の構築と結びつくのか?」という疑問が生まれた。農業者(生産者)には、自分たちのやっていることをどのようにして消費者・地域住民・子ども達に伝えていけばよいかという課題がある。消費者は自分たちの食べている農産物が本当に安全なのか?、どうやってそれを確かめればよいのかを知りたいと思っている。
「食」を取り巻く生産者と消費者の間には高いハードルがあり、学習を進めることによって、そのハードルを少しでも低くすることができるかもしれない。また、異業種の人々が同じテーブルで学習を進めながら、お互いに何がわかっていないのかを確認することによって、今の農業をもっとわかりやすく、関心を持ってもらえるように伝えることができるだろう。こうした点から、実践協議会による学習の意義が見いだされた。

体制の立ち上げ

(1)実践協議会の構成

 本事業を効果的かつ効率的に展開するために、「食と農」というテーマからどのような学習者集団を形成することが望ましいかを検討した。
まず、本事業連携促進委員会の北海道立生涯学習推進センター・桜庭委員(開始時は国立オリンピック記念青少年総合センター主任研修指導専門職)と大空町教育委員会生涯学習課・秋葉社会教育係長(開始時は女満別町教育委員会)により、構成母体となる団体をピックアップした。本地域の基幹産業は農業であり、多くの人々が農業に従事している。新たな組織を構築するため農業者一人一人に参加を募って呼びかけるよりも、母体となる農業関係の学習者グループを核としてメンバーを構成する方が学習会を進めやすいと考えた。
 本地域には、国内東限界で稲作を営み、早くから特別栽培米の研究をしていた「稲作研究会」、有機栽培・特別栽培(低、減農薬栽培)に取り組んでいる「大地のMEGUMI」という学習グループが存在していた。
 また、産地直送を通じて都市の消費者と交流を続ける産直グループのメンバーや、直接的に農業には携わっていないがオホーツク農業研究会という組織に所属する町民などが、実践協議会を構成する人材として想定された。
さらに、学校も交えた活動とすることによって、地域の子ども達にも学習の輪を広げていくことができる。そのために、地域の小学校の教員、学校給食センターの栄養士なども実践協議会メンバーに加えた。消費者側からの意見を聞くためのメンバーも必要となる。したがって、次のような構成メンバーによって、学習体制を立ち上げることになった。

「オホーツク食と農」学習連携実践協議会構成
 稲作研究会会員… 7名
    有機栽培グループ「大地のMEGUMI」会員…7名
    産直グループ会員…2名
    オホーツク農業研究会会員…1名
    教職員…2名
    学校給食センター栄養士…1名
    消費者…1名
 平成16年度〜平成18年度、継続して活動している。

(2)学習グループの特徴

 この学習グループのメンバーは、それぞれの分野において専門家である。農業といっても、稲作、野菜ではそれぞれ専門的な知識が異なる。また、教育に関しては全くの素人である。一方、教職員は農業に関する知識は、あまり持ち合わせてはいない。異なる立場の人々によって学習グループが構成され、実践協議会の場で様々な意見交換が行われることとなった。
 残念ながら、農繁期に農業者が集まる学習会を開催することは困難であった。そのため、実践協議会メンバーによる学習会は冬期間を中心に行われた。集合学習がなかなか開催できない状況の中から、デジタルツールを活用しようという試みが生まれている。時間と場所に制約される集合学習から、時間と場所に制約されないデジタルツールの利活用へと考え方を転換していくことになったのも、こうした学習集団に適した方策を模索したためである。

(3)連携機関

 学習グループの活動を支援していくために、様々な外部機関との連携を図った。
食品(農産物)の安全、安心を実現するため生産履歴(トレーサビリティ)システムを開発し、消費者との信頼関係の構築をめざしている潟mア(網走市)には、デジタルコンテンツの作成支援、デジタルツールの構築など3年間にわたってサポートをいただいた。自社開発のCMS(コンテンツマネジメントシステム)も、この事業の展開にふさわしい優れたものでありSNS(ソーシャルネットワークサービス)のサイト構築によって、実証実験を行うことができたのも同社の技術提供による。
 また、地元大学との連携では、東京農業大学の美土路教授には、学習会の方向性を決定づける重要な示唆をいただいた。北海道大学農学部相馬助教授には、子ども達の学習をより多角的にするためのご協力をいただいた。

(4)立ち上げ

 学習の成果をデジタルコンテンツにするという目的があることから、実践協議会の立ち上げ前に、(株)ノア(網走市)に協力依頼を行い、支援体制を整えた。また、学習会のテーマなどについて、実践協議会メンバーが東京農大オホーツクキャンバスを何度か訪れ、美土路教授に意見を求めたり、資料を提供いただくなどしている。
 協議会メンバーの依頼にあたっては、既存の学習グループを核とすることによって、さほどの苦労は感じられなかったが、他のメンバーにそれぞれどのようなポジションで参加していただくかが課題となった。「食育」はタイムリーなテーマでもあり、地域の学校も学習課題の一つとして取り組み始めたという現状から、学校との連携は、スムーズに行うことができた。生産者は、自分たちのやっていることを伝える手段を模索していた。実践協議会の場で学校と農家を結びつけることにより、3年目には総合的な学習支援を大きく展開することができた。
当初の計画を3年間そのまま踏襲するのではなく、学習会の開催によって、その成果をどのように実践に活かすのかを考えながら軌道修正していくことが出来た点は、本実践協議会の大きな特徴であると言える。実践協議会メンバーがやりたいと思っていることを実現出来たのは、こうした体制を立ち上げたことによるものである。

プロジェクトトップ
概要 地域の特色 学習活動案 学習成果概要 制作コンテツの構成 成果と今後の課題 都市と農村との連携 テーマの企画・活動団体の形成 総合的な学習の時間「稲作」 総合的な学習の時間支援「カボチャ栽培」 実践活動の評価・分析 平成18年度コンテンツ制作活動 3年間の成果と課題

大空町 | 学情研
2005;2006 学習素材のデジタル化連携促進事業